新年のご挨拶

新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

いよいよ、今年は東京2025デフリンピックが開催されます。このデフリンピックを成功させるためには、円滑に大会運営を進め、世界から集うデフアスリートたちが最高のパフォーマンスを発揮できるようにすることが必要です。しかし、それだけではありません。どれだけ多くの国民に会場やテレビ、ネットで観戦してもらえるかも重要な鍵となります。

なぜなら、日本でデフリンピックを開催する目的は、デフリンピックの開催を通して多くの国民に、デフスポーツはもちろん、きこえない・きこえにくい人や手話言語についての理解を広め、きこえない・きこえにくい子供たちがきこえない・きこえにくいことを理由に夢を諦めることなく挑戦することができ、自分の持っている力を活かしてあらゆる分野に参加していくことができる社会を実現させることにあります。

神奈川県聴覚障害者連盟も、「デフリンピック」というきこえないアスリートの国際スポーツ大会があること、このデフリンピックが2025年11月に日本で開催されることを一人でも多くの県民に知ってもらい、観に行こうという気持ちを持たせるために、「みんなのデフリンピック」上映やイベントなどを通して気運醸成に取り組んでいきますので、皆さんもご協力をお願いします。

また、今年はもう一つ、重要なことがあります。それは旧優生保護法被害者への補償金の支払いが1月17日から始まることです。全日本ろうあ連盟の調査により、全国できこえない・きこえにくい人の被害者が170人いることが判明しましたが、実際はもっと多くの被害者がいることが考えられます。きこえない・きこえにくい人の被害者全員が補償金を受けることができるようにしなければいけません。補償金をもらえる事を知らなかった、自分が優生保護法による手術を受けた事を知らなかったために補償金を受けられなかったきこえない・きこえにくい人の被害者が生じるようなことが起きてはなりません。神奈川県聴覚障害者連盟も神奈川県内にいるきこえない・きこえにくい人の被害者全員が補償金を受けることができるようにするために、行政、関係団体と連携して取り組んでいきます。

それから、今年は神奈川県手話言語条例が施行されてから10年になります。この10年を振り返ってみますと、新しい施策が始まるなど進んだ部分はありますが、まだ進んでいない部分もあります。今後、進んでいない部分に関する施策の実施を要望していき、10年後には条例の理念が実現して、いつでもどこでもどんな時でも手話言語で情報が得られ、色々な人とコミュニケーションができる神奈川県となることを目指していきます。

最後になりますが、皆様のご活躍とご健康を祈念して私のあいさつに代えさせていただきます。

神奈川県聴覚障害者連盟
理事長 河原雅浩